本と映画とあさひかわ

書評・映画評Blogにしようと目論んでいましたが、うっかり『バーフバリ』からインド映画にハマリ、その後NetflixとAmazon Prime含め映画をたくさん見るようになりました。ありがとうバーフバリ。

3. ハズレ無しの狂気の生物学本たち―『バッタを倒しにアフリカへ』ほか

 年末年始はすっかりこたつむりになって過ごしてしまった。
 まだ年末年始休みが終わったことに納得がいっていない。後遺症で1月は色々と映画館で映画を見たいと思っている。

 さて、年始に読んで面白かったおすすめ書評やブックツリーを並べておく。これで次に連休が来ても、こたつに潜りながら読む本には困らない。

 

honto.jp

 こちらは今年読んだ本のなかでトップ5に入る面白さだったバッタ博士の本『バッタを倒しにアフリカへ』(前野ウルド浩太郎)に、クマムシ博士が愛ある書評を書いた最高の記事。

 

 読むべし。そして『バッタを倒しにアフリカへ』を読もう。

honz.jp

 以下、勢いがついてきたので生物学シリーズでオススメの本を並べておく。

 

 『孤独なバッタが群れるとき』は『バッタを倒しにアフリカへ』の前野ウルド浩太郎博士がバッタ博士を目指した幼少期から、数々の苦難を越えて?本物の昆虫学者(バッタ論文を書き続け、見事博士号を取得されている)になるまでをつづった本である。『バッタを倒しにアフリカ』へに比べると表紙が地味だが、中身も真面目な論文のことがメインで、なのに門外漢でも全く問題なく面白く読めるというスゴ本なので一読をおすすめしたい。

 『孤独なバッタが群れるとき』と同じ「フィールドの生物学」シリーズの『裏山の奇人』は、ほぼバッタ一点突破の上記2冊と違い、生物学者になるまでに出会った多種多様な動物を扱っている。小学校の校庭でカラスを操り、ご近所さんに怪しまれて退散する場面など、涙なしには読めない(読める)。

 

 こちらはその名の通り、カラスの研究者・松原始博士が、大学生からの熱いカラスへの情熱を書き綴った本。『カラスの教科書』と続編の『カラスの補習授業』があるが、1冊目の濃さが尋常ではなく、2冊めはやや濃度が低下した感あり(それでも十分濃いが)。

 2冊ともに、非常に多岐にわたるアニメ・漫画ネタが5行に1回くらいの頻度で出てくるので、わかってないとところどころひっかかるが、それでも十分おもしろい。

 

 近年相次いで出版されているこうした一線の研究者がその生物愛を書きまくった本が話題になったり売れたりしているのはとてもよいことだと思う。

 こうした本を読んでいると、世界は人間にとってそのままで面白いのではなく、知ること、興味をもつこと、自分で観察していくことによってもっと面白い姿を見せてくれるようになるのだ、ということがよくわかる。最近話題になっている冬休み子ども電話科学相談にも通じる話だろう。

 世界は、知ろうとするともっと面白い。

www.nhk.or.jp