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書評・映画評Blogにしようと目論んでいましたが、うっかり『バーフバリ』からインド映画にハマリ、その後NetflixとAmazon Prime含め映画をたくさん見るようになりました。ありがとうバーフバリ。

[翻訳]Nothing comes before his goals. ― 2017/5/1 Forbes ラーナー インタビュー

スリースリースリー バラーラデーヴァ!!

 

 相変わらずプラバース氏とラージャマウリ監督の動画や記事をあさっていますが、今回はラナさん*1のインタビュー記事の翻訳です。

 2017/5/1公開の記事なので『バーフバリ 王の凱旋』が公開されたあとですね。

 元記事はこちら。

www.forbes.com記事内の写真が和やかでいい。

 

[追記]2018/2/15 記事後半の翻訳を追加しました。2018/2/17 通貨単位のミスをご指摘いただき、訂正しました。

[翻訳]Nothing comes before his goals. ― 2017/5/1Forbes ラーナー・ダッグバーティ インタビュー

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 映画『バーフバリ 王の凱旋』が世界的に記録破りの登場をしたことは、ラーナー・ダッグバーティーにとては全く驚くことではなかった。彼はこのラージャマウリ監督の歴史アクション・ドラマで、バラーラデーヴァというインド映画史上最も記憶に残る役を演じた。

 この南インドのスターには、吹替版が作成される間に完成原版*2を彼とその共演者たちが見たとき、2015年の『バーフバリ 伝説誕生』が2015年の桁外れのヒット作となるだろうとわかった。

 「私たちはみんな、ラージャマウリの素晴らしいビジョンをかたちにするためにこの映画に参加し、1つ1つ作り上げてきました。Part1の『バーフバリ 伝説誕生』はこれら非常に奥深いキャラクターたちを紹介するためのものです。Part2の始まりはとてもドラマチックで、しかもあなたが知っていて、色々と憶測も呼んだキャラクターたちがそこにいます」

 この映画で最も重要な点は、マヒシュマティ王国の統制権をめぐる、バラーラデーヴァとアマレンドラ・バーフバリ(プラバース)の争いである。国母シヴァガミ(ラムヤ・クリシュナン)*3はアマレンドラを王位につけたいと願うが、バラーラデーヴァと彼の父・ビッジャラデーヴァ(ナーサル)は共謀して、忠実な奴隷カッタッパ(サティヤラージ)とシヴァガミを駒のように使い、マヒシュマティ王国を手に入れようとする。

 バラーラデーヴァという恐ろしいキャラクターを人間らしく演じようとしたかと問われて、ラーナーはこう答えた。「彼はたくさんの神話上の人物の翻案です。非常に明確な目標を持っていて、自分自身を理解しています。しかし兄であり息子であり、多くの点でまだ人間らしさがあります。彼にとっては自分の決めたゴールより優先されるものはなく、そしてそれは正しさとは並び立たないものです。彼はビジョンをもった人間であり、そのために戦っているのです」

 

 監督への敬意を込め、ラーナーは言う。「ラージャマウリ監督はジョン・ウーのような大きな物語を大きな枠組みで語る監督に影響を受けています。彼は自分の語りたいこと、語りたいキャラクターについて非常にはっきりしています。監督は役者の演技の最初の観客なので、 役者たちが監督に求めることはただ一つで、たくさんの情報や詳細を彼は与えてくれます。私たちは彼の理解を得ているのです」

 

 アルカメディアワークスのプロデューサー、ショーブ・ヤーラガッタとプラサード・デヴィネニのプロデュースで、 『バーフバリ 王の凱旋』は世界16,000の劇場で公開され、最初の3日間で、空前の521.98クロー(約86億円)*4の興行収入を稼上げた。全インドでは純益約50億円、興行収入は約65億円で、そのうち約34億円はタミル語吹替版、テルグ語版、マラヤーラム語吹替版から、残りの約31億円はヒンディ語吹替版からの売上である。その他各国で約22億円である。

 アナリスト ラメシュ・バラー(Ramesh Bala)によれば、月曜日に全世界での興行収入は、インドでの65億円を入れて、104億円という驚愕の数字になった。これはそれまでの全興業成績記録、約109億円に最速で迫るものだ。

 インドでは凄まじい勢いで火曜日にも純益約73億円、興収約93億円へと到達するとバラ―は言う。つまり、わずか5日間でラージャマウリ監督の重装甲車は『ダンガル』の記録を超え、インド映画史上最も巨大な映画になるということだ。

 2014年のラージクマール・ヒラニー監督、アミール・カーン主演のSF コメディ『PK』によるインド映画の記録、約132億円を塗り替え、世界での最終的な興収は166億円にまで達すると予想する評論家もいる。

 アメリカでは月曜日を過ぎて、アヌシュカ・シェッティが烈火のような姫・デーヴァセーナを演じたこの映画は、配給会社Great India Filmsがこれまで配給した映画の記録約9600万円を破って1億円弱にランクインし、また『ダンガル』の1億2000万円に迫ってインド映画史上の最高興業収入になろうとしている。

 

 ラーナーとプラバースは『バーフバリ』2作のために、5年間で全部で250日を撮影に費やした。『バーフバリ 伝説誕生』はラーナーにとって肉体的な負担が大きく、彼は病院での治療が必要な手首を抱えながらも、自ら全てのスタントをこなした。

 今週、彼はFacebook上でプラバースについて敬意を込めて語った。*5


 「プラバースは 黙って、笑顔で自分のキャリアなかで最高の5年をこの映画に捧げた...今、彼はインド全土で最も偉大なスーパースターになった。彼はそれにふさわしい」

 

 『バーフバリ 王の凱旋』の後、ダッグバーティは最初に監督・脚本家のサンカープ・レッディ(Sankalp Reddy)のヒンディー/テルグ2言語制作の戦争映画『The Ghazi Attack』出演した。これはインドの海軍の歴史の中でほとんど知られていない部分についての映画で、インドパキスタン紛争中の 1971年に起こったパキスタンの潜水艦が謎めいた沈没を遂げた事件についての映画だ。2017年2月に公開されたこの映画は激賞され、インドで約3億円、アメリカで 約8200万円とまずまずの成功を収めている。

 「これはこの国ではかつて作られたことのない映画です」ラーナーはこの映画で、海軍少尉アージュン・ヴァルマを演じる。彼は性急な大将ランビジャイ・シンを演じる主役ケイ・ケイ・メノン(Kay Kay Menon)とともに、戦争を回避するため命を受ける。「私たちが国境を越えた映画をもっともっとつくることができるということは素晴らしことです」と彼は言う。

 ラーナーは今、『1945』*6に取り掛かっている。この映画で彼はレッディ(Reddy)と再び組んで、今度は独立前のインドの兵士を演じ、レジーナ(Regina)と共演する。

 

感想

 ラナさんが「兄であり息子である」ということを意識してバラーラデーヴァというキャラクターを作り上げたのだというのが...もう...黙ってDandaalayyaa再生しよ...。(ビッジャラデーヴァのことはとりあえず置いておく)

 

ラナさんが見たければファイトシーンもいいがコレを見ろ!

 「画面の端でもいつも完璧に演技をしている」とラージャマウリ監督に言わしめた*7ラナさんの画面の端演技が存分に堪能できるMV、Dandaalayyaaを是非ご覧下さい。

www.youtube.com

 このシーンで右上にいる(そして完璧に演技している)兄上、可愛くないですか?わざわざ気づかれないように来てるのにお供のもの引き連れてさ...なんなの...。

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記事内で言及のあるラナさんの出演作トレーラーも置いておきます。

『The Ghaze Attack』

www.youtube.com

『1945』の予告編?こちらは2018年11公開予定。

タミル語では『Madai Thirandhu』というタイトルのようです。

www.youtube.com

*1:ツイッターの文字数節約と呼びやすいので私はこう読んでますが、本来の発音はラーナーが近いようなので、訳文内ではラーナーとしています。

*2:原文では'working prints'. webstar英英辞典では'a completely edited motion-picture print used as a guide in cutting the original negative from which the final production prints will be made '.となっており、劇場公開される以前の、ほぼ完全に編集されたフィルム、もしくは完成プリント(試写会で上映されるバージョンのフィルム)のことか。参考URL:映像制作裏ワザ入門・はじめに

*3:原文では'The Queen Sivagami'

*4:1カロール=10,000,000ルピー

*5:twitterでhyponsさんに該当のページを教えていただきました。URL:Rana Daggubati - A big shoutout this fine gentleman my... | Facebook

*6:インド独立戦争についての映画のようです。

*7:2017年5月のRKによるインタビュー,英語字幕による Director SS Rajamouli About Prabhas, Rana And Nassar | Open Heart With RK | ABN Telugu - YouTube