最近読んだ英文記事: 2020年5月(No.32-40)
コロナでの外出制限も2ヶ月を突破し、人間慣れればなれるもんだな、という感じです。先週から慢性的なやる気喪失に悩まされてはいますが、これまで慌ただしかったので1週間程度のオフはありかなという気もします。
さて、最近はANKIによる単語帳づくりと、podcastにハマっているので以前ほどweb記事を読んでないのですが、それでもやっぱり聞くのと読むのとはインプットとして両方していかないと落ち着かない。
- 32. Movie Date Night Can Double as Therapy
- 33. Op-Ed: John Cho: Coronavirus reminds Asian Americans like me that our belonging is conditional
- 34. Opinion: "I Wish I Could Do Something For You," My Doctor Said.
- 35. Virus survivors could suffer severe health effects for years to come - Bloomberg
- 36. Why has coronavirus taken such a toll on SF's Asian American community?Experts perplexed over high death rate
- 37. The Bushwick House Share Was a Haven― Then COVID-19 Struck
- 38. When Couples Fight About Virus Risks
- 39. Why Are All the Exes Texting?
- 40. Grappling With the Language of Love
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32. Movie Date Night Can Double as Therapy
well.blogs.nytimes.com アメリカではカップルセラピーもごくごく一般的なようですが、夫婦やパートナーとの間に問題を抱えるのは人類普遍の現象のよう。セラピーとまで行かなくても、ロマンチックな映画を見てそれについて語ることがセラピーに行くのと同様の効果をもたらすのでは、という研究に基づいた記事。注意したいのは、ロマンチックな恋愛映画といっても「努力なしに、運命的に恋に落ちる」ような筋書きの映画ではなく、「関係性の中でいいときも悪いときも経験するパートナーたち」が登場する映画を選ぶべし、ということ。
記事内には研究者がリストアップしたおすすめ映画リストもあるが、個人的には以下のNetflixドラマもおすすめ。
Love is Blind- Netflix「外見にとらわれずに人を本当に愛することができるのか?」という実験ドキュメンタリー(モキュメンタリー?)。被験者の男女20人はお互いに顔の見えない小部屋でデートを重ね、プロポーズした男女だけが婚前旅行へと出かける。結婚式はわずか4週間後。
ほとんどが会話ですすむので、増していく親密さとか緊迫感とか、とてもドキドキしながら見てしまった。ヘテロセクシャルの男女の恋愛を前提にしているので、こういう実験にもっといろんなバージョンがあったらいいのになとは思う。しかし大人気なようなのでこれから派生シリーズも作られたりするのではないだろうか。
Marriage Story - Netflixwww.netflix.com
喧嘩のシーンなどいちいち情景が胸に痛いのですが、生活も人生もいろんなことを抱えた大人の関係性をこれでもかと描くので、見終わったあと間違いなく話すことがたくさんあるはず。
Styling Hollywood- Netflixwww.netflix.com
こちらはスタイリストとインテリアデザイナーのカップルのお仕事がメインのドキュメンタリーだけれど、仕事もプライベートもパートナーの二人が直面するあれこれがわりと赤裸々に描かれていて意外とパートナー関係ドラマ(いま命名)。 -
33. Op-Ed: John Cho: Coronavirus reminds Asian Americans like me that our belonging is conditional
COVID-19が世界で猛威を振るうようになって以降、アジア系アメリカ人へのヘイトクライムがあちこちで報道されるようになり、アジア系人口の割合が特筆して高いカリフォルニア州でも、身近な体験談としてあちこちでヘイトクライムを聞くようになった。
関連記事
・Brooklyn woman burned outside home in possible acid attack - New York Post
4月にニューヨーク・ブルックリンでアジア系女性がアシッド・アタックを受けたという記事。 -
34. Opinion: "I Wish I Could Do Something For You," My Doctor Said.
www.nytimes.com NYタイムスの編集者でCOVID-19にかかり、一時隔離入院したものの、無事退院した筆者によるエッセイ。33歳と若く健康で、ランナーであった筆者でも、"回復"後1ヶ月した今でもまだ数ブロック歩くたびに休憩が必要なほどだという。ワクチンも特効薬も未だ発見されていない現状では、「この病気を深刻に受け止めて」という叫びが重く響く。
アメリカでは各地で1ヶ月以上に及ぶ外出制限令への反対デモなどが相次いでおり、専門家の意見と整合の取れないパフォーマンス的な演説を繰り返す大統領が混乱を招いている。連邦制をとるアメリカでは各州知事が単独で、あるいは近隣州と連動して対策に奔走しているが、もともとの格差社会の中で有色人種(とくに黒人、ヒスパニック、先住民)コミュニティへの深刻な影響が露呈している。 -
35. Virus survivors could suffer severe health effects for years to come - Bloomberg
COVID-19から回復した患者が、到底「元通り」とはいかず重大な後遺症を抱えるケースがあるというニュースを見たのはもう1ヶ月ほど前のことのような気がするが、感染者数・回復者数が膨大な数になりつつある今、回復後も全身の内蔵機能に困難を抱える例はもはや稀なケースではないことが明らかになった。
他の深刻な呼吸器系疾患やSARS罹患後の後遺症に関する研究ではコレステロール値が高い人が他の患者群に比べ重症化率が高かったという報告もあり、これらの結果はCOVID-19とも一致するところがあるが、長期に影響についての研究はまだ端緒についたところだ。 -
36. Why has coronavirus taken such a toll on SF's Asian American community?Experts perplexed over high death rate
COVID-19についてはまだわからないことだらけだ。感染予防にマスクが有効らしい、ということでアメリカも最近は公共の場所でのマスク(マスクという指定ではなく、何かで顔を覆え、という指示が多い) 着用を義務付けるところが増えている。これまでの報道では、社会的格差の影響もあって有色人種の中でもとくにアフリカン・アメリカンやラティーノ、先住民のコミュニティが深刻な被害を受けているという指摘が多かったのだが、この記事ではサンフランシスコではアジア系アメリカンの致死率が高いとのこと。もちろん記事中のデータでも、多くの死亡者については人種のデータが欠落していることが指摘されており、これは目をつぶって象を描こうとしている可能性も高いわけだが、もし本当にこうした傾向があるのであれば、これからの原因究明がまたれる。
関連記事
・ WHO Coronavirus Dashboard ―2020/5/20確認
・The stark racial imbalance in coronavirus infections, visualized: Older black Americans are particularly overrepresented- Washington Post, 2020/4/23
・What Experts Say About Narrowing COVID-19 Racial Disparities- Propublica, 2020/5/19
37. The Bushwick House Share Was a Haven― Then COVID-19 Struck
www.newyorker.com
ニューヨーク、ブルックリンの小さくも楽しかったシェアハウスがCOVID-19の状況下で崩壊していった実話。いろんな人がいる場所は楽しいけどその分維持コストもかかるから、こういうときにはうまく行かない場所はあっという間に崩壊してしまう。
住居者のうち数人がスーパー、介護施設などで働くエッセンシャルワーカーで、ほかは仕事を失ったり、シェアハウスする所得層では本当によくある話だろうし、同じようなことが都市部のあちこちでおきているであろうことは想像に難くない。
そもそもシェアハウスは5年続いたらかなりいい方で、基本キャリアの変わり目にいる若い人たちが家賃が安いとかいろんな人と住みたいっていう理由で発生しやすいからだけれど、お金に困ってクスリの売人やセックスワーカーになったり、それが普段なら問題にならないであろうことでもこの状況下では「他人をシェアハウスに招き入れる」ことがどうしても不和の原因になったり...。
38. When Couples Fight About Virus Risks
www.nytimes.com
こちらは同居しているパートナーたちが、同じようにCOVID-19による外出制限下でどうしても葛藤を避けられないという話。公衆トイレを使うか?いちいち外出後に、食事の前に、パソコンを触ったあとに手を洗うか?小さなことでも大きなことでも、既にあるルールや前例を参照できず一から話し合って決めないといけないというのは確かに大きな負担なのだ。
39. Why Are All the Exes Texting?
www.nytimes.com まあたしかにいまって日頃疎遠にしているけど親しい/親しかったひとに連絡するのは絶好のタイミング。世界中の人が自宅に缶詰になっている可能性が高い現在、こうした話題は需要あるよね...と思って読み始めたら、話は以外な方向へ。
40. Grappling With the Language of Love
www.nytimes.com 現在はアラビア語通訳として活躍する筆者は、2008年にシリアで出会った医師と恋に落ちた。二人の共通言語はアラビア語だけど、そのころの筆者はアラビア語初級レベル。あのころ理解できなかったやり取り、もらったけれど読めなかった手紙、それらを今読み返して...。